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- 国文学科 菊岡駿一郎(3年)
多くの文章で溢れる社会の中、当たり前を疑って、自分の解釈を大切に。
国文学科
菊岡 駿一郎
Shunichiro Kikuoka
(3年)
学科を選んだきっかけ
僕が日本文学に興味を持ったきっかけは、高校時代にあった課題図書という制度でした。指定された本を読むというカリキュラムで、幅広く色々な本を読んでいました。その中でも日本の近代文学に惹かれ始めて、高校の卒業論文で宮沢賢治について書いてみたんです。様々なことを自分なりに調べて書いてみたらとても面白くて、より深い学びをしてみたいなと思いました。
特に上智大学の国文学科には様々な分野を経験されている先生がいらっしゃって、さらに少人数授業もあるというのが印象的でした。ここなら幅広くかつ深い学びができるのかなと感じたことがこの学科を選んだ理由です。
国文学科のここがスゴイ!
国文学と国語学と漢文学の三分野にわたって偏りなく学べるカリキュラムが整っているところです。一、二年生のうちから幅広く学ぶことになるので、狭義の日本文学に留まらず多くの視点を得ることができました。僕は国文学の分野を専攻するつもりですが、日本の文学を考えるときにも、漢文学の影響は大切ですし、国語学のテーマと強く関係する問題も出てきます。そうした場面でそれぞれの知見を有機的に結びつけながら学んでいく能力がつくのは、この学科ならではと言っていいんじゃないかと思います。
学びを通して自分の中に起こった変化
今色々なところで、「当たり前を疑う」姿勢が重要視されていると思うんです。国文学科に入って、それが身についたなと思うことがよくあって。例えば古典文学について、僕は高校時代から『方丈記』などが好きで読んでいたのですが、現代語訳や注釈におんぶにだっこになっていました。そのときはそこに書いてあることが全てだと思っていましたが、大学の授業で、現代語訳や注釈では表わしきれないことがあると分かりました。古文に出てくる単語ひとつとっても、書かれた時代や作品においてどんな使われ方をするか調べることで、より深い読解ができ、作品が浮かび上がってくるときがあるんです。そんな風に当たり前を疑って丁寧に論証していくというのは、大学で学んで特に身についた能力なのかなと思います。
学びを今後の人生の中でどう活かす?
今この時代、社会に多くの文章が溢れているわけじゃないですか。生きているだけで次から次に文章に出会って、文章ひとつひとつが私たちに訴えかけてくるというか。雄弁な言説や、ことさらに正しさを主張する文章もありますが、それが全て真実であるとは限らない。その意味で、批判的な能力をもって、疑いつつ自分なりに文章を選択して、理解して、身につけていく重要性は、この時代ますます高まっているように思うんです。僕が国文学科でしてきた学びはそうした能力と直結するんじゃないかなと思うので、それを活かしていきたいです。多くの言説で溢れる時代だからこそ、それらに批判的になって、自分自身の解釈を重要視するような姿勢を大事にしたいと思っています。