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歴史学を通して培った洞察力と発想力を実社会で活かす
史学科
野中 大成
Taisei Nonaka
(4年)
学科を選んだきっかけ
そもそも、はじめは文学部志望ですらなく、周りの同級生たちと同じように、難易度の高い、就活に有利そうな学部のどれかに入ることを目指していたんです。
でも、僕自身は小学生のときから歴史(特に坂本龍馬)が好きで、歴史に照らして物事を考える癖があったので、実はちょっと歴史やってみたいな、という想いはありまして。
そんなとき、通っていた予備校の先生から、好きなことは何だ? と訊かれて、歴史が好きだと答えました。すると、どの学部に行くにせよ、学んだ知識が社会でそのまま使えるわけではないから、自分が学びたいと思う学問を学んだほうがいい、というアドバイスをいただいたんです。
史学科のここがスゴイ!
僕がお世話になった川村信三先生のゼミの素晴らしさが印象に残っています。和やかな雰囲気のなかで、先生や10人程の学生たちと率直な質疑を交わしながら、ひとつの書籍を多角的に読む力を養うことができました。
川村先生は、卒業論文についても早い段階から意識されていて、2万から3万字程度のプレ卒論を、就活がはじまる前の時期に受講生に準備させるので、問う力や、全体の構成から考える力を、じっくり時間をかけて身に付けられた実感があります。
川村先生からいただいたアドバイスのひとつに、読んだ書籍の内容をカードにまとめなさい、というのがあるのですが、趣味の本を読むときにも、僕はこのアドバイスを実践しています。
学びを通して自分の中に起こった変化
柔軟な思考ができるようになったと思います。例えば、「常識」について。巷ではよく、「常識を疑え」と言われるけれど、この表現は適切ではない、なぜなら、世の中には疑うべき常識とそうではない常識の2つがあるからだ、という気づきを、歴史学は与えてくれるんです。
「日本は島国」というのは、疑うべくもない常識ですよね。ところが、「男の子は泣かないもの」という常識は、江戸時代の武家教育から来ていて、平家物語や戦国時代の記録を見ると、中世の侍や戦国武将は号泣するほど感情表現が豊かだったことに気づかされます。つまり、僕たちが当たり前だと思っていた「男の子は泣かないもの」という常識は、実は疑うべき常識だったのだと。
このように、守るべき常識と変更すべき常識の境目が、学びによって見えてくることは、思考を柔らかくして、豊かな発想力へと導いてくれると思います。
学びを今後の人生の中でどう活かす?
面接の際に、歴史学について熱を持って語れたことが良かったのか、通信系の企業から内定をもらうことができました。
その会社の企業理念は、異業種同士(通信と他の分野)を掛け合わせて新しい価値を創るというものなので、史学科で培った洞察力を活かして、残すべきものと変えるべきものとを適切に識別するといったような、社会をより良くする仕事をしていけたらと思っています。