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- ドイツ文学科 小笠原智咲子(4年)
ドイツを舞台にした日本文学との小さな出会いをきっかけに得た、ドイツ文学を原文で味わう喜び
ドイツ文学科
小笠原 智咲子
Chisako Ogasawara
(4年)
学科を選んだきっかけ
第2次大戦下のドイツを舞台にした皆川博子さんの小説『死の泉』や、ドイツの寄宿学校の日常が描かれた萩尾望都さんの漫画『トーマの心臓』との出会いが、ドイツの社会や文化に興味を持った最初のきっかけです。こういう世界があるんだ、と。
皆川さんと萩尾さん自身、ドイツ文学(特にヘルマン・ヘッセ)がかなりお好きだということも知って、私も自然と、ドイツ文学や、ドイツ語圏の演劇に触れる機会が多くなりました。ドイツ芸術が持つ独特の雰囲気や、哲学的な世界観には心惹かれるものがあって、ドイツ文学科に行きたいな、という想いが強くなっていったんです。
ドイツ文学科のここがスゴイ!
1、2年次の間に、ドイツ語の基礎固めができるところだと思います。日本人の先生方からは文法を、ネイティブの先生方からはネイティブの発音を、というようにバランス良く学べるので。
2年間かけてしっかり学んだドイツ語の成果は、3年次からの「文献演習」の授業で実感できます。日本語訳では理解できないドイツ語の微妙なニュアンスや独特な文の構造、詩の中で計算しつくされて創られた押韻の音の響きなどを、原文でじかに味わえるのはすごく魅力的だと思うんです。
学びを通して自分の中に起こった変化
日本人には、遠回しな言い方を好んだり、意図せずに慇懃無礼な話し方をしてしまう傾向があると思います。実は、2年生の秋に、在外履修制度を利用してドイツに留学をした際、現地の先生からそのことを指摘されまして。「あなたは日本人過ぎる。もっとドイツ人になったつもりで話したり書いたりして」という先生の言葉は衝撃的でした。私としては、失礼のないように気をつけて振舞っていたつもりだったんです。ところが、他の文化のなかでは、そうした慇懃さが異質なものに見えてしまう。
自分がいままで当たり前だと思っていた価値観や文化が、一歩踏み出してみればまったく違ったものになるんですね。言語を学ぶうえでは、その国の価値観や文化を含めて理解して、受け容れることが大事だと思うようになりました。
学びを今後の人生の中でどう活かす?
大学院への進学を考えています。
皆川さんと萩尾さんを通して出会い、大好きになったヘッセのことを、大学院でさらに深く研究したいです。