文学部横断型人文学プログラム

受験生の皆さま
-上智大学文学部を志望する人のために-

大事な情報は読みにくい場所にある。SNSの時代だからこそ気づいたこと。

英文学科
吉澤 理子
Riko Yoshizawa
(3年)

学科を選んだきっかけ

 英語という学問の楽しさに気づいたきっかけは、中学生の時に通っていた塾でした。学校では教科書の内容を和訳するだけでしたが、塾では英語という言語に向きあって、文法の「なぜ?」と思うことを説明してもらえたので、構造として面白いなと思うことが増えたんです。英語のリズムの面白さや日本語との違いなど、辞書的な意味だけでなくもっと奥深いことまで見ていく楽しさを知り、英語が好きになりました。

英文学科のここがスゴイ!

 英語のプロになるための様々なアプローチが用意されていることです。私は教職課程を履修していますが、英語の教育方法の歴史的変遷や良い点・悪い点を見ていくことも、英語という言語を知るアプローチのひとつだと思います。

 また、言語学としての英語を学ぶことができるのも強みです。高校までは文法の規則を覚えるだけでしたが、言語学系の授業では、文法構造をより深く理解でき、英語が歴史的にどのように変遷していったかを知ることができます。

 三つ目が、文学作品からのアプローチ。作品を読んで、形式や言葉の意味、言葉の裏にある含意を深く読解していくことができます。歴史的背景や思想の流れを受けて作品ができたことや、他の文学作品と比較してどういった特徴があるかなど、文化的背景とからめて教えてもらえるので、本当の意味で文学を理解することができるのも良さだと思います。

学びを通して自分の中に起こった変化

 今までの勉強は、点数をとるため、受験に受かるための勉強が多かったのですが、大学では自分を豊かにし、自分の頭の中や価値観を育てることができました。

 SNSなど簡単に手に入る情報に左右されがちな世の中ですが、大事な情報は読みにくい場所にあるのかなと思っていて。アクセスしづらかったり読みにくかったり、日本語に訳されていないものを読んで楽しむことは、大学で得られた大事な価値観です。高校ではなぜ本を読むのかと思っていましたが、本になっているということは、情報の価値が高いということ。情報が溢れた社会の中で様々なものを本当かどうか疑って調べてみる中で、批判的に考える力が身につきました。

学びを今後の人生の中でどう活かす?

 将来どの職種に就くかはまだ決めていないのですが、もし教員になったら英語が苦手な子に楽しいと思ってもらえるような授業をして英語の魅力を伝えたいですし、得意な子に対しても、大学で自分が得られたような、点数を取ることより英語を本当の意味で楽しむという感覚を持ってほしいです。

 企業に就職したら、英語を使わない会社だったとしても、情報の信憑性を自分で批判的に考えてから物事を理解する力は役立つと思います。情報が溢れている社会ですし、大人になればなるほど関わる人も増えていくので、色々なものを鵜呑みにするのではなく、正しいかどうかを自分で判断することが大切だと思います。