横断型人文学プログラム
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ジャパノロジー・ゼミ(2015年度教育イノベーション・プログラム)
2015年度、文学部横断型人文学プログラム・ジャパノロジーコースでは、教育イノベーション・プログラムの特別授業として、「ジャパノロジー・ゼミ―〈文化の交差〉から捉えなおす列島文化―」を開講しました。
多彩なゲスト講師陣によって繰り広げられる、自然環境、国際環境、歴史、民俗、芸術などから新たな日本像を発見する試みに、受講生も大いに刺激を受けたようです。学期末の課題には、ゼミで学んだことを自由な方法で形にすることが求められ、多様な記述形式で書かれた研究レポート(お祭りや温泉などの宗教・生活文化、アート、ファッションその他)、自分と日本との関係を捉えなおす自分史、動画など、豊かな発想を伴うさまざまな作品が提出されました。
ここに紹介するのは、そのうち、最優秀作品、優秀作品に選ばれたものです。受講生たちの視点を通して、ステレオタイプのそれとは異なる、〈日本〉の姿を見つけ出してみてください。
最優秀作品
「六畳一間で〈日本〉を問うてみる」
北原美和(フランス文学科)
日本とは何か、ジャパノロジーとはどのような学問なのか。授業を通して自分のなかに生まれたさまざまな疑問、普段から持ち続けた問題意識を、大判の半紙に凝結させた作品。
完成までの過程を記録した動画も面白い。表現方法、身体/思考の相関を生み出す実践のあり方、実際にできあがった作品から受ける印象など、いずれも秀逸。
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優秀作品
「日本らしさを演じる日本」
河合夏輝(ドイツ文学科)
ステレオタイプの〈日本〉イメージに、動画という表現を用いて楔を打ち込む。では、比較対象として示されるタイ、カナダのイメージは、ステレオタイプではないのか? そもそも、国家や民族の表象とは、誰がどのように決め、支配的になってゆくのだろうか? 映像と音楽のシンクロも心地よい力作。
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「個人と震災」
菊池奈央子(ドイツ文学科)
東北出身者としての立場から、マスメディアに搾取された「被災地の物語」に疑問を投げかけ、自分の周囲の小さな声を収集し、記録しようとする試み。他者の声に耳を傾けながら、自分のなかの震災経験を捉えなおす作業でもある。ゲスト講師の映画監督、青原さとし氏との、ドキュメンタリーの方法をめぐる対話ともなっている。
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「地域遺産の発見、他者に伝えるということ」
小坂日向子(フランス文学科)
青森県出身者として、国民国家日本が立ち上がってくる近代史のなかで、東北地方が後進的地域、植民地として構築されてゆく過程を跡づけようとする上質なレポート。既成のフレームから解き放たれた地域独自の価値を見出し、それに基づく他者との交流を持つことで、〈日本〉全体のありようをも相対化する方向を示す。
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