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文献演習A1
[2019年度開講科目]
イメージと文学
フランス文学科 ブルーノ・ペーロン 教授
あらゆる危険をはらむイメージとテクスト
この授業では、イメージ(画像)とテクスト(文章)を突き合わせる、という試みを行っています。両者を比較したとき、イメージは多くの場合、私たちにとって、テクストよりわかりやすい(見ればわかる!)もののように思われます。
ところが、イメージを解釈しようとするとすぐに、テクストを解釈するときとまったく同じ量の文化、心理、感性に関する知識が必要だ、ということに気づかされます。実際、学生たちは、フランスあるいはヨーロッパの文化の中にあるテクストとイメージが組み合わさったもの(ポストカードや絵本等)を解釈しようとするとき、たちまちこの問題に直面します。
さらに、テクストとイメージは、並べて置かれると、響き合うことで、単体で存在していたときとは大きく異なった意味をもつようになります。小説家、シナリオライター、漫画家等の作家たちは、イメージをテクストに結びつけながら、どのように意味を構築しているのでしょうか?
見る・読む、話す・書く、分析する・統合する、要するに、考える!
学生たちにフランス語で話す・書く機会を与えること、それが授業の第一の目的です。
さらに、学生たちには、2人1組のペアになって、自分たちの独自の文化の中から授業のテーマに沿ったコンテンツを選び、それについて、授業の中で口頭発表をしてもらいます。そして、発表を聴いた学生は各自、それらのコンテンツについて検討したことをフランス語で文章にまとめるのです。
私が指定した厳格なメソッドに従ってそれぞれの課題に向き合うことが、学生には求められます。インターネットが私たちの生活に大きな影響を及ぼしているいま、日常的に直面するイメージやテクストがもたらす一面的な見方から皆が脱する手伝いをこのようなかたちでするのは、意義深いことだと考えています。
高校生へのメッセージ
この授業は文学の授業ではありますが、私はさらに一歩踏み込んで、実践的な側面を与えることを目指しています。大事なのは、テクストをただ訳すだけでなく、イメージとテクストの結びつきについて考察を深めていくことだと考えているからです。
私たちは日々、知らず知らずのうちに、私たちを納得させ、操ろうとする様々なメディア戦術の標的になっています。メディアの企てを前にしても、皆にはより注意深く、より自由であって欲しい、それが、私が授業に込める想いです。
※本ページは2019年度開講時の情報にもとづいています。