文学部横断型人文学プログラム

横断型人文学プログラム

共通基礎科目

文化交渉入門

言語


国文学科 豊島正之先生(2015年度)

 国文学科の豊島正之先生による、「辞書」を題材にした授業です。
 ラテン語、ポルトガル語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、英語…たくさんの言語が飛び出し、まさしく多言語辞書の世界を体験するような時間となりました。
 「辞書」の姿を歴史的に追い、はたして「言語」は通じるのか、という基本的な問いも踏まえながら、「言語」の交渉について考えました。
 貴重なCalepinusの多言語辞書(1570年刊、リヨン版)に、実際に触れてみる時間も…。

文学


フランス文学科 小倉博孝先生(2018年度)

 第2のテーマ「文学」は、フランス文学科の小倉博孝先生による講義です。
 そもそも、文学作品を読むということはどういう行為なのでしょうか。「読む」という言葉の意味から考えていきました。文学作品は、小説だけではありません。授業では、シャンソンの中の物語にも注目しました。

思想・宗教


史学科 川村信三先生(2015年度)

 今回は、史学科の川村信三先生から、第3のテーマ「思想・宗教」についての講義でした。
 16世紀に見える、異文化どうしが双方向に交流する「並存」と「共存」のあり方。
 上智大学の基礎を築いたフランシスコ・ザビエルをはじめ、当時の宣教師たちの足跡を追いながら、日本がどのように記述されたか確認してゆきました。
 異なる思想・宗教が出会ったとき、反発しあうこともありますが、ときに、ヴァリニャーノやマテオ・リッチのような「順応」というかたちも生まれます。
 16世紀の日本の歴史をひもとくと、多様な交渉のあり方が見えてくるようです。

演劇


鵜山仁先生(2018年度)

 演出家としてご活躍されている、文学座ご所属の鵜山仁先生のご登場です。
 ご自身の演出された「トロイラスとクレシダ」の映像を例にとりながら、「演劇」という表現について考えました。
 「トロイラスとクレシダ」はシェイクスピアが原作です。
 既存の文学作品を舞台演出するときに、どのような問題が生じるか、どのような表現の可能性があるのか。
 音や空間などライブアートの特性も確認しながら、「演劇」の場で交差する文化を目の当たりにしました。
 これを機に、ぜひ劇場で生のライブのエネルギーを体感してみましょう。(2015年度)

芸術


中司由起子先生(2018年度)

 第5のテーマは、「芸術」です。法政大学能楽研究所にご所属の中司由起子先生に、能についてお話いただきました。
 古典芸能である能は、歌と舞からなる歌舞劇であり、現代でいうミュージカルのようだとのご説明がありました。能の映像を交えながら、能の歴史や様式、所作の変遷について考えていきました。

スポーツ


保健体育研究室 鈴木守先生(2015年度)

 最後のテーマは「スポーツ」。保健体育研究室の鈴木守先生で締めくくりです。
 スポーツは、言語や歴史、文学、絵画などと比べ、「文化交渉」としては注目されにくいかもしれません。しかしじつは、個々の文化を色濃く反映する、「文化交渉」には欠かせないテーマです。ベースボールやサッカー、ラグビー、アメリカンフットボールなど、ふだん何気なく観戦していた競技に、それぞれ多様な文化背景があることに気付く回でした。

テクストを読む

歴史のテクスト


史学科 井上茂子先生(2018年度)

 史学科の井上茂子先生による講義でした。
 本講義では、「歴史のテクスト」というものに向き合うために必要な精査の方法、すなわち「史料批判」の方法と、その必要性について紹介がありました。
 例として、西ドイツにおいて、ヒトラーの日記が偽作されて発表されたという事例を取り上げ、その発覚に至るまでの分析の過程や、この事例の歴史的意義、原因の考察などを行い、文書を疑う事の大切さという事についてのお話がありました。

芸術のテクスト


フランス文学科 永井敦子先生(2018年度)

 フランス文学科の永井敦子先生による講義でした。
 写真作品、とくにセルフ・ポートレートによる自己表現とその読み取り方についてお話いただきました。
 フランスの芸術家であるクロード・カーアンと、彼女の作成したセルフ・ポートレート作品が例として登場しました。それぞれの作品の特徴や背景、込められた自己表現の解釈を見ていきました。

文学のテクスト


ドイツ文学科 高橋明彦先生(2017年度)

 担当はドイツ文学科の高橋明彦先生。フリードリヒ・ニーチェの『ツァラトゥストラ』を、作品内からの構造(論)的視点と作品外からの歴史的視点から読んでいきます。
 第1回目の講義では、ニーチェが作品を執筆した背景や、同時代人であるリヒャルト・ワーグナーとニーチェとの関係など、作品のみならずニーチェの置かれた時代を見ていきました。

メディア・ジャーナリズムのテクスト


新聞学科 碓井広義先生(2017年度)

 新聞学科の碓井広義先生による講義でした。
 ドキュメンタリー番組とは、「自らテーマを設定し、取材を進めながら、事実の中にある真実を探っていく、そのプロセスそのもの」であり、いわば「世界を読み解こうとする試み」であるという言葉が印象的でした。一方で、ドキュメンタリーの映像は、撮影者や編集者などの作り手による選択の結果であり、真実そのものとは必ずしも限らないという指摘もありました。

映画・映像のテクスト


英文学科  新井潤美先生(2018年度)

 英文学科の新井潤美先生による講義でした。
 本講義ではまず、「adaptation(脚色)」、「fidelity(忠実)」、「anti-fidelity(独自路線)」に分類し、映画と「原作」の関係について説明がありました。
 続いて、イギリスの作家ジェイン・オースティンの小説『高慢と偏見』を原作とした、1940年公開の映画、2005年公開の映画を事例として取り上げ、時代性や観客の要求という観点から、原作からの変更点や描写の違いについて、考察していきました。
 最後に、先生から「映画を見る際、原作についての知識は必要か?」という問いがありましたが、皆さんはどのように考えるでしょうか。

身体のテクスト


保健体育研究室 吉田美和子先生(2015年度)

 保健体育研究室の吉田美和子先生による講義でした。
 まず、「身体」と「心」、「霊性」をすべて兼ね備えた身体としての「Soma」という概念について、説明がありました。
 その上で、腕を伸ばした時の肩甲骨の動きや、体の隅々まで意識を巡らせた時の自身のボディ・イメージなどの体験を通じて、「自分自身の身体」の捉え方、読み取り方とその言語化の方法、その重要性を考えていきました。 (2018年度)

受講生の声(2018年度)

  • 批判的にテクストを読むことが、決して作品に対して否定的にとらえるということではないことを学んだ。(哲1年、女性)
  • 歴史学についても同じことがいえるが、物事をひとつの視点だけで見てはいけないということが分かった。その事実そのものだけを見るのではなく、背景を見ること、またどのような立場に立った時の意見なのかということをよく吟味し、理解しようとすることが大切だと考えた。(史1年、女性)
  • 今まで国文学ばかり読んできたので、独・仏・英の文学や芸術にふれることは、とても新鮮であったと同時に、大変おもしろい内容で毎回授業が楽しみだった。また、どの文学、芸術も当時の文化や環境のコンテクストが含まれており、今まで無意識にふれていた部分をこれからは意識してみたら、鑑賞の仕方、味わい方に新しい可能性が秘められていると思う。(国文2年、女性)
  • その物事には表面上の意味とそこから拡張された意味・意義があることを学んだ。ただ見て受容するだけでなく、批判的または客観的に分析することが重要だと思った。(英文1年、男性)
  • ただ与えられた情報や知識を鵜呑みにするのではなく、まず疑いの目を持って考えてみることで、新しい気づきや発見をすることができると思った。(独文1年、女性)
  • 自分の興味以外にも様々な面白い学びがあることが分かって、視野が広がった。(仏文1年、女性)
  • 人に伝えたいことを伝えるためには、どんなものにもテクストになり得るのではないかと思った。そして、それを理解するためには背景知識などが受け手には必要とされ、相互のコミュニケーションに近いものがあると思った。(新聞1年、女性)