つながないと見えないことだってある

2015年度から文学部では「横断型人文学プログラム」(Interdepartmental Humanities Program)をスター トしました。7つの学科の高い専門性を縦糸とするなら、それをつなぐ横糸は参加する学生の興味です。人文学的視点を核にしながら学科の壁を超えた3つのコース、「身体・スポーツ文化論」「芸術文化論」「ジャパノロジー」を開講。異なる背景をもった学生の興味をつないでみると、これまで見えなかったことが見えてくるかもしれません。

概念図
※プロジェクト・ゼミの受講には選抜があります

共通基礎科目

このプログラムの土台となる視点を身につけるための必修科目です。複数の教員が担当する講義を通して自分の興味のありかを探り、コース選択の助けとします。

個別選択科目

3コースにそれぞれ指定された科目があります。それを各自選択して履修します。共通基礎科目で興味をもった分野の知識を深め、プロジェクト・ゼミに参加する準備をします。

プロジェクト・ゼミ

トピックを決め、研究プロジェクトを立ち上げて成果発表をするまで、全て学生が主体となって行う少人数ゼミです。修了者にはプログラム修了認定証が与えられます。

共通基礎科目

興味のありかを探る

テクストを読む

「テクスト」というと文字で書かれたものを思い浮かべるかもしれません。しかし、ここで言う「テクスト」は文字だけではなく、たとえば史跡や遺物などの物、絵画、映像、身体など、おおよそ「読んで解釈できるもの」すべてを指します。それぞれの「読み方」を学ぶのがこのクラスです。

文化交渉入門

外来文化を受け入れたり、自国の文化を海外に発信したりする時に起こるさまざまな文化変容についての理解を深めるクラスです。文化交渉は国家間だけでなく一国内でも生じます。文学・美術・音楽・演劇・スポーツ・思想・宗教などが、異なる文化でどのように受けとめられ、変化してきたかを、過去と現在の事例を通して検証します。

身体・スポーツ文化論

身体とスポーツから人間を考える

IOC国際オリンピック委員会が公認するスポーツに、チェスやブリッジが入っているのをご存知ですか?「スポーツ」というとサッカーや野球といった「運動競技」を思い浮かべられると思います。しかし、「スポーツ」の語源は「心と身体を非日常に運ぶ」という意味の紀元前5世紀頃のラテン語deportareで、「スポーツ」には「運動競技」だけではなく「気晴らし」「暇つぶし」「ふざける」といった意味もあります。チェス、ブリッジ、囲碁などは、身体の一部「脳」の思考力を競う「マインドスポーツ」であり、複数のプレイヤーで対戦するコンピュータゲームは「eスポーツ」と呼ばれ2022年のアジア大会では正式競技となります。またキャンプのような競わない活動もスポーツなのです。このコースでは、身体と心の関係や、大きな力をもつ「スポーツ」という偉大な文化を人文学的観点から検証して人間を考えます。

芸術文化論

観るだけがアートじゃない

芸術文化とは、人間の知的・精神的活動に大きく関わるものです。このコースは、芸術の様々な分野の研究をとおして、各学科での学びに新たな視点をもたらすことを目的としています。2018年度の「個別選択科目」には2講座あり、「造形芸術の世界」(コーディネーター・桑原俊介)では、6名の講師をお迎えし、建築、彫刻などにくわえ、ファッション、さらにはアート・マネジメントについても講義していただきます。また、「映像文化論」は、黒澤明など日本映画に詳しい日大芸術学部の古賀太先生にお願いしました。

ジャパノロジー

「クール・ジャパン」を見直す

現在、テレビや雑誌などには、日本を手放しに称賛する言説が溢れていますが、それらに躍るステレオタイプの日本像からこぼれ落ちてしまうものにこそ、本当に豊かな魅力が隠れているのではないでしょうか。先年大ヒットした映画『君の名は』にも登場した四谷の鎮守・須賀神社は、八岐大蛇を退治したスサノヲを祭神としていますが、江戸時代以前には、京都祇園八坂神社の疫病の神・牛頭天王を祀っていました。スサノヲの姉である伊勢神宮のアマテラスにも、蛇の姿をしているとか、男性であったと考えられた時期があったのです。それはなぜなのでしょう。時間を遡り、空間を広げてゆくと、日本は今までとはまったく違う姿をみせてくれます。本コースの授業を通じて、ぜひ新しい〈日本〉を発見してください。

2015年4月、横断型人文学プログラムの履修が始まりました。
2017年度秋学期より、プロジェクト・ゼミが開講されました。

※科目の内容や名称等はすべて現時点で計画にあるものです。将来的に変更になる可能性があります。