文学部横断型人文学プログラム

受験生の皆さま
-上智大学文学部を志望する人のために-

文学部Q&A

文学部全体

Q.1
文学部って「文学の学部」なんですよね?
A.1
ちがいます。わたしたちの学部はFaculty of Humanities、つまり「人文の学部」です。もちろん外国語や各国の文学も専門的に学べますが、哲学・歴史・芸術・言語・メディア・情報・ジャーナリズム・身体文化など、人文学から社会科学や自然科学までの広いウィングから、自分の研究対象を選ぶことができます。あなたはどの方面に関心がありますか?
Q.2
文学部は就職に不利って聞きましたが…。
A.2
上智大学文学部に関しては、そんなことはありません。他の学部とおなじように、就職を希望するほとんどの人はきちんと就職できますし、哲学科や新聞学科の人は表現力があって面接試験にとても強いと言われています。進学する人、教員やマスコミ、出版など、言語にたずさわる職業に就く人が多いのも文学部ならではでしょう。
Q.3
大学院を出たらまちがいなく研究者になれますか?
A.3
残念ながら、いまは世界のどんな大学の大学院を出ても、すぐに研究者への道が開かれているわけではありません。実力や業績だけでなく、タイミングや運も必要です。その一方で、わたしたちの大学院の博士課程を終えた人は、ほとんどが大学などで教えていたり研究職に就いているのも事実です。大事なのはあくなき探究心と精神力、そして何よりも心身の持続力ですね。
Q.4
留学する人っていますか?
A.4
もちろん文学部でも毎年たくさんいます。上智大学には世界中に約170校の交換留学協定校があります。長期の交換留学から短期の語学留学まで、毎年たくさんの文学部の学生が世界中の大学に留学します。またアジアや欧米からの入学者や留学生も文学部で勉強しています。たとえ留学しなくても、英語・ドイツ語・フランス語などは外国人の先生から学べる機会があるでしょう。
Q.5
学科試問とはどのような試験なのでしょうか?
A.5
文学部の一般入試では、学科によって、独自の学科試問を課す場合があります。マークシート形式の3科目の試験だけでは測れない、専門分野への適性、志望動機や関心の強さを調べるためのものです。それぞれの学科の特性をふまえた問題や小論文などが課されます。志望する学科がきまったら、その分野に関連する本などを読んでおくとよいでしょう。

哲学科

Q1.
西洋哲学が中心ということですが、それ以外の哲学も学べますか?
A1.
日本思想や東洋思想、仏教思想の科目が開講され、西田幾多郎など日本近代哲学や日本思想一般、大乗仏教や浄土教、儒教などの東洋思想も学びます。現代の倫理や美学も学べます。
Q2.
外国語の学習について教えてください。
A2.
哲学の研究は原典講読が中心となるため、哲学科では語学学習を重視しています。第1外国語は、ドイツ語または英語です。ドイツ語は近現代のドイツ哲学、形而上学や認識論の宝庫です。国際標準語の英語は、言語哲学、倫理学、芸術論、公共哲学等の分野で新しい現代哲学を生み出しています。その他フランス近現代思想の理解にはフランス語が必要ですし、哲学の古典の勉強にとって必須の古典ギリシア語やラテン語も履修できます。

史学科

Q1.
教員免許や学芸員資格を取りたいのですが。
A1.
中学(社会)、高校(地理歴史・公民)の教員免許や学芸員の資格取得に必要な科目の多くが、史学科科目に直結しており、資格が取りやすくなっています。
Q2.
どの地域の歴史が学べますか?
A2.
史学科には、日本史・東洋史・西洋史の3分野で古代から近現代まで教員がいますから、自分の関心に応じて史学科科目をとりながら、研究テーマを探すことができます。また、他学部他学科の歴史系科目も史学科の選択科目に組み込まれ、取りやすくなっています。

国文学科

Q1.
国文学科の授業の特徴を教えてください。
A1.
少人数の授業が多いことです。例えば演習科目は、受講生の発表を中心に進めるため、人数を30人以内に制限するとともに、2~4年次の3年間をかけて履修していきます。卒業論文に取り組む力が付くのもこの演習です。
Q2.
国語科の教員免許は取れますか。
A2.
学科科目の履修が、国語科教員免許の取得にそのままつながるカリキュラムを組んでいます。4年間をかけ国文学・国語学・漢文学の3分野を広く、深く学ぶことができ、国語教育に携わる上で効果的なカリキュラムとなっています。

英文学科

Q.
英文学科と英語学科の違いは何ですか。
A.
英文学科は英米の文学・思想・文化を専門領域としています。英語学科にも文学・文化研究はありますが、言語学や地域研究など多様な専門領域のひとつとして位置づけられています。両学科とも1、2年次のうちは英語の基礎的なスキルを身に付けますが、全体的に見ると、広くいろいろな領域を扱う英語学科に対して、英文学科は全学年を通して英米の文学・思想・文化研究を体系的に深化させるようにカリキュラムが組まれています。つまり、英語学科に比べ、英文学科では領域が限られている代わりに、ひとつの領域についての選択肢が多いという特徴があります。そして、その集大成として最終学年で卒業論文を必修として課しているところが英語学科との大きな違いです。教員構成も、その専門領域が多岐にわたる英語学科に対し、英文学科の教員の専門は英米の文学・思想および英語史・英語教育に特化されています。文学・文化・思想を深く学びたいということであれば英文学科ということになるでしょう。もちろんどちらの学科の学生ももう一方の学科の授業の一部を選択することもできます。

ドイツ文学科

Q1.
今までドイツ語を勉強したことがないのですが。
A1.
入学時にドイツ語の知識は全く必要ありません。1・2年次ともに日本人教員とネイティヴ教員が協力して週9時間徹底的に指導し、ドイツ語の基礎的な運用能力を総合的に身につけます。ドイツ語既習者には、その人に合った履修指導を個別に行います。
Q2.
ドイツ文学科とドイツ語学科はどのように違いますか。
A2.
ドイツ文学科が対象とする研究領域は文学・思想・文化・芸術で、それを歴史的・時間的な視点のもとにとらえます。ドイツ語学科では文化や社会構造を、主として同時代的な視点から考察していきます。

フランス文学科

Q1.
フランス語ができなくても大丈夫?
A1.
入学者のほとんどが初心者です。初年次には専門研究に必要な基礎語学力を徹底的に養います。 フランス人教員と日本人教員のチームワークによる週9時間の語学の授業では、聴解力や口頭表現力の鍛練と、文法・講読・文章作成の演習とを並行して効率よく行い、生きたフランス語の習得を目指します。
Q2.
卒業論文は必ず書かなければならないのですか?
A2.
4年次にはそれまでの学習の集大成として、全員が卒業論文を執筆します。テーマはフランスとフランス語圏の文学や他の文化事象のなかから各自が自分の関心に応じて選択し、学科教員の指導の下、およそ1年をかけてじっくりと取り組みます。フランス語で執筆する学生もいます。

新聞学科

Q1.
何を学ぶのですか?
A1.
ジャーナリズムやメディアの発展過程、その社会的機能や規範などについて学びます。理論的な知識を習得するだけでなく、メディアの第一線で活躍する方々も講師に招き、メディアの今日的課題について検証することで、情報社会を生き抜くために必要とされる情報の価値・意味を見抜く力を身に付けます。
Q2.
卒業後の進路はどうなりますか?
A2.
狭き門であるマスコミ業界ですが、毎年、新聞学科の4割以上が既存のマスコミ関係(新聞、出版、放送、広告)に就職しています。ほかの5割はネットなど新規メディアのほか、一般企業、行政、NPOなどに。また、1割が大学院に進学しています。